こんにちは。私は翻訳者のアンと言います。(プロフィールはこちら) 東京外国語大学のポルトガル語専攻を卒業し、現在はフリーランス翻訳者として働いています。
この記事では、ポルトガルへの短期語学留学に興味を持っている人向けに、選択肢としてどんなものがあるのかをご紹介します。
※この記事タイトルには【初心者向け】と入っていますが、「ポルトガル語のレベルが初級の方向け」という意味ではありません。
ポルトガル留学が初めての人向けに書いたということであって、ポルトガル語のレベルは初級~上級までが対象です!どなたでも検討してみてください!)
※私はコロナウイルスの流行が始まる前に留学して帰国しています。現在は色々と条件も変わっているかもしれませんので、本気で今行きたい方は必ずご自身でホームページを確認・問い合わせてみてくださいね)
ポルトガルへの短期留学は色々工夫さえすればけっこうリーズナブルなので、どこか外国へ行ってみたいけどどうせお金がかかるから・・・と金銭的な理由で諦めかけてる人にもおすすめです。
私も金銭的な理由で短期留学を選びましたので。ポルトガル短期留学にかかる費用については、以下の記事も見てみてくださいね。

さて、ポルトガル短期留学の方法には、大きく分けて二つあります。一つは大学のサマーコースを受講すること。もう一つは、語学学校に通うことです。
2024年もリスボン大学ではサマーコースが開かれるのを確認できたので、リスボン大学のHPを見たい方はこちらからどうぞ。なんど第89回目の開催だそうです。歴史が長いんですね。
さて、この記事では、私が受講したリスボン大学のサマーコースと、サマーコースの後に通った語学学校CIALについてまとめてみました。
ポルトガル語のレベルについて
ポルトガル語のレベルについて表すときに、B2とかC1とかC2といった言葉がよく使われるので、まず初めに説明をしておきたいと思います。
B2、C1、C2といったレベルは「ヨーロッパ言語共通参照枠 (CEFR)」という外国語能力を示す指標で、C2が一番上のレベルとなります。
詳しく知りたい人は、以下の外部サイトを参考にしてみてください。
リスボン大学のサマーコース
私はリスボン大学のサマーコースに参加しましたが、リスボン大学のサマーコースは私の一押しで、また参加したいぐらいです。
留学までの準備は大慌てで大変だったけど、本当に充実した日々を過ごせました。
リスボン大学のサマーコースは、いつ開催されている?
リスボン大学のサマーコースは、その名の通り夏に開催されています。
期間は1か月間という短期間で、7月、8月、9月に開催されています。
授業時間は、7月、8月については平日9時~13時、9月については8時~12時の4時間です。(2021年8月31日現在)
どのレベルのクラスに参加するかを決定するために、事前にオンラインでレベル診断を受けることになりますが、初心者から上級者までのクラス(A1~C2)がありますので、初心者の人でも安心して参加できます。
ホームページを確認すると、サマーコースの参加条件として「アルファベットが読めること」という条件はあるようです。
私は現地で、ポルトガル初級のA1コースに参加している日本人やその他の国籍の人々をたくさん見ました。クラスの数も、A1やA2などの初級コースが一番多かったように思います。
だから、ポルトガル語がまったく初めての人でも大丈夫です。
オンラインでのレベル診断が終わると、今度はコース初日に先生と一対一でスピーキングの確認のようなものがあって、そこで最終レベルが確定します。
私のクラスでは、1名を除き全員が事前のオンラインレベル診断で判定されたレベルで最終確定されました。その1名についてはスピーキング力が高いということで、ひとつ上のクラスに行ってました。
リスボン大学のサマーコースの質は?
私は1年以上の長期留学に憧れていましたが、費用の面で叶わなかったので短期留学を選びました。
「サマーコースで本当にポルトガル語が上達するのかな…」「やっぱり長期留学をしないと上達は難しいのではないか…」と思っていたこともあります。
また、リスボン大学のサマーコースに関する情報が非常に限られていて評判がいまいち分かりませんでした。
しかし、実際にサマーコースの受講を始めるととても熱心な先生による指導と質の高い教材で勉強ができて、大変満足でした。
私が日本で通っていた東京外大での授業も厳しく、かつ楽しかったですが、リスボン大学のサマーコースでは「読む・書く」だけでなく、「話す・聞く」にももっと力を入れていました。
授業では、先生が作ったプリントやパワーポイントなどに沿って、会話やリスニング、文法やライティングをバランスよく学びました。
日本の学校では、文法やリーディングには力を入れているけどスピーキングの場がほとんどないということが多いですが、リスボン大学の従業ではポルトガル語をたくさん話さないといけませんでした。
ディスカッションを苦手とする日本人はけっこう多いと思いますが、サマーコースではディスカッションに慣れている生徒が世界中から集まってきます。
多様な生徒がいる環境で、少しでも良いので自分の意見を言うことで、人前で話すことに自信がつくと思います。
リスニングの教材には現地のニュースやラジオがそのまま使われており、なかなか難易度が高かったです。
たった1か月という短期間ですが、かなり真面目なプログラムなので、真剣に取り組めば1か月後には大きな成長を感じられるのは間違いないです。
コースを無事修了すると修了証がもらえます!
修了証をもらうためには、出席率と最終試験のスコアが必要なので、けっこう真剣に取り組まないと修了証がもらえません。
修了証は後ほど郵送されます。私は日本に帰国してから受け取ったので、コース終了から修了証をもらえるまで1か月以上かかりました。
ここで、少しですが写真をお見せします。下記2枚はリスボン大学の画像です。サマーコースに参加する場合2枚目の画像にある入り口から、教室へと向かうことになります。


クラスの人数を正確には覚えていませんが、10~15人ぐらいで、多すぎず少なすぎず、良い感じの人数でした。
私は9月に参加しました。7月、8月だと、観光のついでにサマーコースに参加している人が多数いて、もっと混んでると思われるので、具体的に知りたい人はリスボン大学に聞いてみてください。
私が実際に参加した、リスボン大学サマーコースのB2クラスに関する体験談については、以下の記事もご覧ください。

リスボン大学のサマーコースにかかる費用は?
さて、「留学」というとお金がかかるイメージがあります。もちろん、学費以外にも渡航費や滞在費もかかりますので留学は安いものではありません。
しかし、リスボン大学のサマーコースは1か月で560ユーロ(2021年8月31日現在)日本円にして約7万2千円ぐらいです。
有名大学で毎日質の高い授業が受けられて、1か月7万2千円というのは、とてもお得に感じたので絶対に行くと決めました。
リスボン大学のサマーコースは費用面からも授業内容からも本当におすすめできますので、ご興味ある方はぜひリスボン大学のホームページも見てみてください。2024年もサマーコースが開かれますよ!
このホームページは、英語とポルトガル語で確認できます。
ポルト大学やコインブラ大学のサマーコースもあり
もし、ポルトやコインブラに滞在希望の場合は、ポルト大学やコインブラ大学のサマーコースに参加するのも良いと思います。
私はポルト大学やコインブラ大学には行ったことがないので、ぜひご自身で以下のHPから大学に連絡をとってみてくださいね。
2023年9月の時点で、ポルト大学とコインブラ大学のサマーコースの開講状況を確認できませんでした。もしかしたらやっていないのかもしれません。大学に聞いてみてください。
私はポルトにもコインブラにも行ったことがあります。どちらもすごく素敵な街でとても好きです。特にポルトが好きですね。
コインブラものんびりしていて、とても良いところですよ。
ポルトガルの語学学校CIALに通う
リスボン大学の1か月のサマーコースを終えたあと、もう1か月、語学学校でポルトガル語を学ぼうと思っていました。
ただ、リスボンには多くの語学学校があり、どれが良いのかリスボンに到着してからもよく分かりませんでした。
リスボン大学のサマーコース受講中に同じくサマーコースを受講していた日本人から、CIALという語学学校がおすすめで、その人たちの知り合いもCIALで勉強していたということだったので、CIALを選ぶことにしました。
CIALでの授業について
リスボン大学でポルトガル語レベルB2のコースを修了したので、CIALではC1のグループレッスンのクラスにいました。
一応、初日にレベル分けの小テストみたいなのはありました。でも事前にC1を希望して申込書も出しているし、B2は修了していたし…
基本的に、希望レベルと実際の自分のレベルに大きな差がない限りは、希望レベル以外に配属されることはないんじゃないかな?と思います。
お金を払っているわけだし、希望のレベルで受けたいですよね!気になる人は学校に連絡してみてくださいね。
CIALへの申し込みのタイミング上、C1のコースの途中からの参加になってしまったので、C1のレッスンは2週間しか受けられず、2週間後にテストということになりました…。
テストは難しかったですが、なんとか乗り切って合格し、C2のグループレッスンに進みました。
1コースの期間は通常4週間となっているようでしたが、私は2週間後に帰国しないといけなかったので、2週間しかC2のレッスンは受けられず、テスト前に帰国となりました。
一番授業料の安いグループレッスンにしたのですが、4週間ずっと3~4人ぐらいしかいないという、かなりの少人数制で、落ち着いて勉強ができたのが良かったです。
ホームページによると、最大人数は8人のようです。
4週間のうちに何度か先生が変わり、合計で3人の先生が担当してくれましたが、ユーモアのある先生ばかりでとても面白かったです。
ただ面白かっただけでなく、わかりにくい文法はとても丁寧に教えてくれて、質問があるといつも熱心に説明してくれてプロフェッショナルでした。
CIALの授業料は?
CIALの方が、リスボン大学のサマーコースより授業料が高め(4週間で約13万円)でした。リスボン大学のサマーコースは1か月で7万円ぐらいなので、CIALは倍ぐらいしますね。
できるだけリーズナブルにポルトガル留学したい人には、リスボン大学のサマーコースをおすすめします。
7月~9月に時間がない人、グループレッスンではなく個人レッスンを希望している人は、CIALも候補に入れてみると良いのではと思います。
ポルトガルには、CIAL以外にも多く語学学校があります。下記にいくつか私が見つけた語学学校を載せておきます。
<リスボン>
Escola de Línguas das Sardinhas
<ポルト>
学校を選ぶときのポイント
学校選びのポイントは、「先生が良い」「少人数制である」「日本人が多すぎない」「学費が高すぎない」かな、と思ってます。
このポイント全てを満たすのは、やっぱり、大学のサマーコースだと思います。
語学学校も他の国への留学と比べればお手頃な価格だとは思いますが、私のようにとにかく出費を抑えながら、ハズレのない質の高い授業を受けたい人には大学のサマーコースがおすすめです。
ポルトガルの学校で日本人が多すぎるということはまずないはずなので、日本語ばかり喋ってしまってポルトガル語が上達しないという心配はありません。
ポルトガル短期留学にあたってビザは必要なの?
私のポルトガル滞在期間は約2か月でしたが、ビザは必要ありませんでした。有効なパスポートのみで大丈夫でした。
もう少し詳しく説明しますと、観光等を目的としたポルトガルの滞在期間が90日以内であればビザは必要ありません。
ただし就労する場合などはビザが必要となるので、在京ポルトガル大使館に問い合わせる必要があります。
ビザについては必ずご自身で、外務省のHPなどで最新情報を確認してください。
今はコロナウイルスによって、ビザに関してのみならずポルトガルへの渡航に関わるプロセス全般が通常とは異なってる可能性もあると思いますので、もし留学を考えている人は十分に調査してくださいね。
まとめ
私の一押しであるリスボン大学サマーコースと、語学学校CIALについて体験談を交えつつ書いてみました。ポルトガル留学を考えている人にとって参考になればとても嬉しいです。
なお、このブログの「ポルトガル語」カテゴリーにはポルトガル語に関する記事も掲載しているのでよかったら見てみてください。
留学を計画している人の成功を願ってます!
ポルトガルに留学してみたいという人は、ぜひ、下記の記事も読んでみてください。





