こんにちは。私は翻訳者のアンと言います。（プロフィールはこちら）
私は翻訳を始めたばかりの頃ミニマムチャージを設定していなかったし、少量案件の依頼は全然なかったので、あまり考えたことがありませんでした。
でも取引先が増えたり、色々な案件を引き受けるようになったりしてからは、数十ワード程度（まれに数ワードの時もあり）の依頼がたまに来るようになったので、ミニマムチャージの設定を考えるようになりました。
ミニマムチャージとは？
最低料金のことです。たとえばミニマムチャージを3000円に設定した場合、ワード数×単価で計算して3000円未満の案件については一律3000円を請求することになります。
例：英日翻訳で単価が10円/ワードの時、原文が30ワードの案件は、通常通り計算したら30×10=300円が翻訳料金になるが、ミニマムチャージ3000円を請求する。
数ワードとか数十ワードの案件は赤字になる
数ワードとか数十ワードの案件の料金を、通常どおり「ワード数×単価」で計算すると、数百円ぐらいかそれ以下になってしまい、トータルの作業量を考慮すると大赤字になってしまいます。
なぜなら、たとえ数ワードとか数十ワードの翻訳であっても、次のような作業も一緒に発生するからです。
１． メールのやり取り
２． スタイルガイドなどの確認（すごく大事）
３． ツールにログインしてファイルをダウンロードしてレイアウト等の確認
４． リサーチ
５． スペルチェック
６． クエリ作成
数百円程度だと1と3の報酬ぐらいにしかならない…。メールの作成も気を遣うので簡単じゃないです。
2、4、6にはかなりエネルギーと時間を消費しないといけないこともあるので、たとえ数ワード、数十ワードであってもそんなにパパっと終えられるわけではないです。
たった数十ワードの英文の中に、自分の知らない高度な専門用語が1つでも混ざっていたら、そのリサーチのためにたくさんの時間をかけないといけない、なんてことも。
文脈がよくわからないようなものを訳すのも大変です。
翻訳の難しさは原文の長さとあまり関係がなく、短ければ簡単でさっさと終わるというような単純なものではないですね！
ミニマムチャージは設定していないと言われたこともある
少量案件はミニマムチャージでお願いできないか、翻訳会社に聞いてみたことがあります。
でもミニマムチャージは設定していないと言われました。お客さんからもミニマムチャージを取っていないと。え？と思いましたけど。
少量案件が嫌なら断ってくれればOKと言われたので、数十ワードなどの依頼はほぼ断り、それ以外を引き受けるようにしましたが。
翻訳会社の方からミニマムチャージで依頼してくれることはなかった
「少量なのでミニマムチャージでお願いします」って翻訳会社の方から言われたことはないです。
少量案件は複数の翻訳会社から依頼されたことがあるけど、どこも通常通りワード数×単価で計算してるみたいでした。
翻訳者から言われない限り、ミニマムチャージでの支払いはしないのかも…。こちらから伝えないと「数百円の仕事もやってくれる人」と思われて、そういう案件ばっかりくる可能性もあるような。
翻訳会社のHPを見てみたけど、お客さんに対してミニマムチャージを設定してるところはたくさんあるようです。
私の取引先はちょっとおかしいのだろうか？案件によってはミニマムチャージがあるとか？よくわかりません。
でも他の面がかなりホワイトだと思ってるし、色々とよくしていただいているし、少量案件は断っているのでけっこう気持ちよく働けています。
ミニマムチャージの話をしたあとも依頼はきた
最初にミニマムチャージの話をした時「もしだめな場合、依頼がこなくなったりしないかな？」と一抹の不安を感じたのですが、依頼がなくなることはなく、それ以降は普通の量の案件が依頼されるようになったので、言って良かったと思ってます。
ビクビクせずに、自分の希望は伝えたほうがよさそうです。
少量案件は断るか、ミニマムチャージか
今後も少量案件は引き受けないようにするか、ミニマムチャージでお願いします、と言って交渉を試みるか、のどちらかで対応していこうと思っています。
ミニマムチャージがないとかなり赤字になってしまうし「少量案件の担当者」みたいに認識されても困るので（汗）。
まとめ
単価のことやミニマムチャージのことなど…。フリーランスを続けていくためにも、ちゃんと自分で考えて対策しなければと思っています。
交渉はもともとあまり好きではないけど、フリーランスとして働くなら避けられないことなのでこれからも頑張ろうと思っています😸
