こんにちは。私は翻訳者のアンと言います。(プロフィールはこちら)
近年では、異常気象が世界的な問題・関心事項になっていますね。私自身も、近年毎年のように発生する大雨や、夏の猛暑、いつどこで起こるか分からない地震等々について考えることも多く、環境問題解決のためにできることをやりたいと思うことが多いです。
また、他国ではどういった試みが行われているのかも気になります。
というわけで、今回はポルトガルの試みのひとつを見てみました。
どんな試みが行われているのか
ポルトガルでは、2020年3月よりDo Velho se Faz Novoというプロジェクトが行われています。(9月に終了予定)
これはどんなプロジェクトかというと、水やジュースやアルコールなどが入ったペットボトルを利用後、リサイクルのため、ポルトガル国内に設置された23の機械に持って行くことで、数センチモのお金がもらえるというものでした(が、2月末より、お金はもらえなくなり、そのお金は機関にいくようになったようです)
消費者が受け取るこのお金なんですが、ペットボトル購入時にデポジット(預り金)を払い、そのデポジットが返ってくるというわけではなく、消費者への純粋な報酬となっています。
国民の反応は?
国民の反応は大変良く、2020年3月から2021年6月までで、1620万のペットボトルが回収されたとのこと。
1620万本のペットボトルって、どれぐらいなのかうまく想像ができませんが、東京の人口がだいたい1400万人なので、東京の人口以上のペットボトルが集まったということですね。これは、プロジェクトが成功したといって良さそうです。
2月末までは、ペットボトルと引き換えにお金がもらえたようですが、それ以降はそのお金は社会的機関にまわり、消費者はもらえなくなったようです。その結果、30%までペットボトルの収集量が減ったのですが、2021年3月から6月にかけての収集量は、プロジェクト開始から16か月間の収集量の14%に相当するそうです。
ペットボトルと引き換えとしてのお金がもらえなくなったことによるペットボトル収集量の減少について、この記事ではそこまでネガティブには書いていない印象ですが、私としては「人間の大半ってやっぱり現金なのか…」と思いました。
ペットボトルの返却に参加した人のうちの70%は、環境のためではなくお金目当てでプロジェクトに参加したということになりますよね…。
30%の人はお金がもらえなくてもペットボトル回収に参加し続けた、ということで、前向きに捉えることもできますが、やっぱり環境問題に対する意識をもっと上げる必要があるのだなと感じました。
【情報源】Devolver garrafas em 23 supermercados deixou de dar desconto e entregas caíram 70%(Público)
まとめ
日本では、今回紹介したポルトガルでの試みを、私は見たことが無いのですが、皆さんはありますか?私はありません。
ただ、以前に他の欧州諸国を旅した時、スーパーにペットボトル回収の機械が置いてあって、そこにペットボトルを持っていくとデポジットが戻ってくる、というのは見た事があります。
ポルトガルも、この制度を取り入れようとしているのかなと考えます。これまでのプロジェクトが成功しているので、今後は他国のようにデポジット制を取り入れる可能性もありそうですね。
ペットボトルの回収率が増えるのであれば、とても良い制度だと個人的に思うのですが、日本も他国の成功例から学び、同じ方法を取り入れていくべきと考えます。