こんにちは。私は翻訳者のアンです(プロフィールはこちら)。
私はトライアルに不合格だったことがあります。この記事では私がトライアルに落ちた時を振り返ってみて、トライアルに落ちる理由や、トライアル不合格が続く理由などについて考えたことを書いてみました。
私は1人の翻訳者であり、翻訳の先生でもなく、翻訳会社で働いていたわけでもないので、あくまでも個人の体験談・考えとして参考にしてください。
翻訳会社ではなくお客様が採点するトライアル
トライアルの中には、翻訳会社が作成して翻訳会社が採点するものと、お客さん(クライアント)が採点するトライアルがあって、後者は私にとって一番難しいです。
私はこのタイプのトライアルを受けて不合格だったことがあります。
訳が正確でもお客様の好みに合わないと落とされるし、その好みを事前に教えてもらえないことがあるので、お客様が採点するトライアルに合格するのは、私にとっては難しいです。
でもお客様好みの訳が自然にできてしまう人なら楽に合格できるのかなとも思います。
翻訳者の中には「トライアルの合否にお客様や翻訳会社の好みは無関係で、不合格なのは実力不足だから」という人と「トライアル合否にはお客様や翻訳会社の好みも関係ある」と考える人がいるみたいです。
私の場合はどちらかというと後者の意見です。
もちろん実力不足(誤訳などをしてしまう)で不合格となる場合もあると思いますが、どんなに実力のある人でも相手の好みに合わない訳し方をしてしまうとか、正確ではあるけれど他の翻訳者の訳のほうが好みだから落とされてしまうとか、あるのではないかと。
翻訳会社が採点するときもそうですが、お客さんが採点するときに特にこの「好み」の問題が強く出てくる気がしています。
専門知識が足りない分野を受けてしまう。医薬翻訳の例
医薬翻訳については、合格したところも実はあるのですが不合格だったところもありました。
トライアルを提出して不合格だったこともあるし、その前段階の書類審査の時点で不合格になったこともあった気がします(ちょっとうろ覚え)。
もともと医薬翻訳についても興味を持っていたので、医薬を専門的に勉強したわけではないけどリサーチを徹底して合格できないか?もし合格したら少量の案件から受注して、専門性を身につけながら仕事を増やせないか?と考えたことがあります。
その結果1社は合格できました。できましたが、そこの翻訳会社には合格にも2段階あるみたいで、
私はそのうち下のランクでの合格でした。
だから本当の意味での合格とは言えないですね。
「依頼できそうな案件があったら連絡します」ということだったのですが、これまで一度も依頼されたことはないです。
やっぱり医薬翻訳の場合は医学部や薬学部に行ってたとか、翻訳学校などで医薬翻訳を専門的に勉強したとか、そういった人でないと、ぎりぎりでトライアル合格したとしても仕事がなかなか来ないのではないかなと思いました。
だから分野の知識が足りないとトライアルに良い成績で合格できません。
こなれた日本語にしにくい。マーケティング翻訳
ここ数年はマーケティング翻訳のトライアル合格率も上がってきたように自分でも感じますが、以前は不合格だったこともあります。
私が思うマーケティング翻訳の特徴は「英文を読むと意味が分かるしイメージもつかめるけど、すっきりとした自然な日本語にするのがすごく難しい」です。
あと、他の人がどうかは分かりませんが、マーケティング翻訳は他の分野と比べて思い込みによる誤訳をしやすい気がします。だから慎重に訳すように気を付けています。
現在主にマーケティング翻訳を依頼してきてくれる翻訳会社はフィードバックに積極的なところで、それがすごく役に立っていて、その結果他の翻訳会社のトライアルにも受かりやすくなっています。
翻訳トライアルが不合格だった場合フィードバックなどはあるのか
不合格だった場合にフィードバックがあれば、受験者としてはすごくありがたいですが、基本的にはもらえないと思っていいと思います。
「連絡は合格者のみにして不合格者にはしません」という翻訳会社もあるぐらいだし、「不合格に関する反論や質問など一切受けられません」とあらかじめ書いてくる翻訳会社もあります。
トライアル不合格者に対してフィードバックをしたり訳例を見せてあげたりする翻訳会社はかなり少ないんじゃないかと思いますが、1社だけ自ら訳例を見せてくれたことがあります。
自分の訳と比べて読みやすくなっているところや工夫されているところが分かり勉強になってありがたかったです。
不合格になる理由
「ここがいまいち分からなかった」というのが自分で分かっていれば、そこがおそらく不合格の原因なんだと思います。
私が医療翻訳のトライアルに落ちたり、受かっても低いレベルでの合格だった時のように、分野の専門知識が足りていないということも考えられます。
翻訳会社は不合格の理由を教えてくれないので、推測するしかないですね。
タイポや訳抜けなどのミスで大きく減点された可能性もあります。
不合格が続く時
私は翻訳会社に勤めていたわけでもなく、翻訳の先生でもないのであくまでも推測ですが…
何回受けても不合格の場合は翻訳の技術が足りていないか、英文法の理解が足りていないのではないかと個人的には思います。
英日翻訳の場合、難しいのは英語だけでなくて、日本語も同じなので、日本語も外国語だと思って磨かないと受からないんですよね。
トライアルに相性はあると思いますけど、何回受けてもうまくいかない…!という場合は相性以外の原因もありそうです。
中学校や高校での英文和訳問題と同じように対応していると、おそらく合格できないと思います。私も最初の頃、高校の英文和訳っぽいことをやっていました。
これは言い換えると、word for wordの翻訳ってやつです。逐語的な翻訳です。この方法でうまくいく時はそれでいいんですけど、たいていはぎこちない訳文になってしまいます。
翻訳関連の本を読むなどして独学で翻訳の力を磨いてみるというのもすごく良いです!
もしくは、短期間でも翻訳学校で自分の訳文を添削してもらう機会を作るのも効果的かもしれません。
私がおすすめする独学テキストについては以下の記事に書きました。これを使ったらトライアル合格率上がりましたよ。
まとめ
今回は、私の翻訳トライアル不合格体験と、不合格になる理由などについて書いてみました。
翻訳者なら誰でも翻訳トライアルに落ちた経験はあると思うし、現役の翻訳者でも不合格になってしまうことはあるみたいです。
私もうまく行ったり行かなかったりの、山あり谷ありの翻訳生活ですが、翻訳スキルを磨く努力を怠らないようにしようと思います。
トライアル合格体験記はこちら。