こんにちは。私は翻訳者のアンと言います。(プロフィールはこちら )
この記事では、ポルトガル語がどんな言語なのか知りたい人向けに、ポルトガル語の特徴についてまとめてみました。
ポルトガル語は英語に似ている?
ポルトガル語が英語とそっくりというわけでは全くないですが、英語との類似点もあります。特に単語と文法においては英語と似ているところがあります。
例として以下の単語を見てもらうと、英単語とポルトガル語の単語が似ていると気が付くと思います。左の青色がポルトガル語で右の赤色が英語です。
supermercado–supermarket
escola–school
universidade–university
estudar–study
entender–understand
他にも、英単語と似ているポルトガル語の単語は多く存在します。
もちろん、英単語と全く似ていないポルトガル語の単語も膨大にあります。英語と似ている単語は、英語ができる人にとってはとても覚えやすと思いますけど、たまに混ざりますよ。
自分でポルトガル語を作ってしまうこともありましたねえ。
たとえば、protectという英単語がありますけど、それはポルトガル語ではprotegerという単語にあたります。でも私は頭の中でprotectarという単語を勝手に作って使ってしまい、先生がちょっと笑っていました。
発音は難しい?
私の知っている人で、ポルトガル語を勉強してきた日本人のほとんどは「ポルトガル語は発音はそんなに難しくない」と言っていました。
ポルトガル語には鼻にかかった発音である鼻母音もありますし、óやô、eやéの発音の違いはとても難しく私もうまくできませんが、うまくできなくても通じてしまうことがほとんどです。
ポルトガル語を学んだことのない日本人がポルトガル語をそのままローマ字読みで読んだとしても、ネイティブのポルトガル語話者は理解できます。
あまり発音を意識しなくても「こんな感じかな?」って感じで発音してしまっても通じるのがポルトガル語のすごいところかもしれない。
きれいなポルトガル語を話したいなら、もちろん特訓が必要でしょう。
私はポルトガル人やブラジル人のようにきれいな発音でポルトガル語を話すことはなかなかできませんが、それでも私の話すポルトガル語を理解してもらえなかったことはありません。
英語だと、ローマ字読みしただけではネイティブの英語話者には分かってもらえないことがかなり多いです。たまにとんでもない意味になってしまうこともあるので、注意が必要ですよね。
日本人にとってポルトガル語は、発音の面からは比較的楽な言語かもしれません。
ポルトガル語は動詞の変化が複雑?
ポルトガル語の動詞は主語に合わせて複雑に変化すると聞いたことがあるかもしれません。
私もポルトガル語を習い始めたところ、こんなにも動詞が変化するなんて複雑だ!と思っていました。
でも今では少し考えが変わっていて、ポルトガル語の動詞は確かにたくさん変化するけれど、そこまで複雑というわけでもないと思っています。
というのは、ポルトガル語の動詞のほとんどは、一部の不規則動詞を除いてとても規則的に変化するからです。変化の規則さえ覚えて、あとは徐々に慣れていけばいいだけです。
たとえば、「勉強する」という意味のポルトガル語の動詞はestudarですが、このestudarのように語尾がarで終わる動詞は主語に応じて次のように変化します。
Eu(私は) estudo、Tu(あなたは) estudas, Você (あなたは)estuda、 Nós(私たちは) estudamos、 Vós(あなた方は) estudais、 Vocês (あなたたちは)estudam、です。
この変化パターンは、不規則動詞以外のarで終わる単語なら全てに当てはまるのです。
「飲む」という意味のポルトガル語の動詞は、語尾がerで終わってますね。このように語尾がerで終わる単語については、主語に応じてこんな風に変化しますよ。
Eu(私は) bebo、Tu(あなたは) bebes, Você (あなたは)bebe、 Nós(私たちは) bebemos、 Vós(あなた方は) bebeis、 Vocês (あなたたちは)bebem。
それでは、「出発する」という意味のポルトガル語の動詞partirのように、語尾がirで終わっている単語の場合はどうでしょうか?
こんな感じです。 Eu(私は) parto、Tu(あなたは)partes, Você (あなたは)parte、 Nós(私たちは) partimos、 Vós(あなた方は)partis、 Vocês (あなたたちは)partem。
ポルトガル語の動詞はar、er、irのいずれかで終わるので、不規則動詞の活用と上記の規則を覚えてあとは練習あるのみです。
案外楽だね!と言いたいところですが、ここまでの説明は現在形の場合です。
過去形、過去未来形、接続法現在、接続法過去などなど、ポルトガル語には多くの時制がありますが、各時制に応じて変化のパターンがあるので、そのパターンは覚えていかないといけません。
名詞に女性名詞と男性名詞がある?
ポルトガル語には、女性名詞と男性名詞があります。
たとえば、casaはポルトガル語で「家」という意味の女性名詞です。「一軒の家」はuma casa、「その家」はa casaになります。
一方、livroはポルトガル語で「本」という意味の男性名詞なので「一つの本」はum livro、「その本」はo livroとなります。
女性名詞か男性名詞かによって、修飾する形容詞も変化します。たとえば「一軒のきれいな家」ならuma casa bonitaとなりますし、「1冊のきれいな本」ならum livro bonitoとなります。名詞の性によって形容詞が変化するということです。
難しいとは思う
ポルトガル語が簡単か難しいか聞かれたら、だいたいA1とかA2レベルぐらいならそこまで苦労もせずに到達できるけど(特に英語の知識がある人にはとっつきやすいと思う)、それ以上からはだんだん難しくなってきます。
たとえ英語と似ていると言われても、あるレベルからは英語の知識があっても対抗できなくなってきます。
まとめ
ポルトガル語をまったく勉強したことがないけどなんとなく興味を持っているとか、これから勉強したいと思っている人が、ポルトガル語がどんな言語なのかについて大まかに知ってもらうことを目的で書いてみました。
以下の記事では、ポルトガル語の文法の中でも上級者向けの内容を扱っていますが、分かりやすく書いたつもりなのでご興味あれば覗いてみてください。