これまで目撃したブラックな翻訳案件の特徴は単価が安すぎるということでした。
でも、今回はそれとはちょっと違うタイプのものがありました。
レビューでの修正箇所について詳しくコメントしろという要求
その案件ではレビュアーはレビュー時に直した箇所について、ひとつひとつ翻訳者に説明しないといけないことになってました。
レビューの仕事というのは、原文と訳文を読み比べて誤訳がないか、タイポがないか、日本語としておかしくないか、などをチェックして必要があれば直すという仕事です。
訂正箇所に関する翻訳者への説明っていうのは普通、レビューの仕事に入ってないです。
私の仕事の大部分は翻訳であってレビューではないんですが、私の翻訳をレビューしてくれた人から修正箇所についてコメントや説明がきたことは一度もないです。
社員のレビュアーの方はたまにフィードバックを送ってくれることありますが。
私がレビューをしたときも、翻訳者にいちいち説明するなんてことはありませんでした。それを求められたこともありません。
ちなみにレビューの料金は翻訳の3分の1とか2分の1くらいが多く、これはあくまでもレビューの作業料金であって翻訳者へのフィードバック作成・送付の手間は含まれていないです。
原文のエラーは翻訳者が絶対直せという要求
原文のエラーは翻訳者が直さないと翻訳者のペナルティになるらしい。そんな発想が出てくるのには引く。
原文エラーは元の原稿の執筆者や依頼者の問題であって翻訳者にはまったく関係ないです。
欠陥があるかもしれない原文のチェックはその言語の校正者に依頼し、翻訳者に対してはきれいな原文を渡すべきです。
そういえばノンネイティブが書いた論文を訳していた時、タイポと文法ミスが多くて本当に迷惑でした。原文にエラーが多いとスムーズに翻訳できません。
明らかなタイポとか文法がおかしいのとが混ざっていた時、申し送りしてくれる翻訳者もいるでしょう。でも全員がしてくれるわけではないだろうし、絶対しないといけないわけでもないでしょう。
とにかく翻訳者へのリスペクトが感じられないので驚きました。
翻訳者は原文に書かれていることを訳すのが仕事だから、原文にエラーが入ってた場合、それが訳文に複製されても本当は仕方ないと思います。
翻訳とレビュー以外の仕事をする場合には料金が必要
翻訳者の仕事は翻訳とクエリ作成、レビュアーの仕事はレビュー。
それ以外の仕事をする場合には別途お支払いしてもらわないと引き受けられません。
変なところからは去るのみ
ほかにも色々やばい点を確認できたけど、この辺にしておこう。
私の経験から言って、ひとつでも変な点があるところは他の部分も変な場合が多い。ここもそうでした。
返事もものすごく遅いし、チーム内の連携もうまく取れておらず、「翻訳者の意見は大事だから聞く」と口では言うものの、実際のところ何も聞いていない。
関わっても搾取されるだけになりそうです。
  
  
  
  
