翻訳の案件がMTPEになってからお断りすることに。MTPEは翻訳する力を低下させる。

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翻訳
UnsplashJoshua Hoehneが撮影した写真

こんにちは、アンです。(プロフィールはこちら)。

これまで継続的に引き受けてきた翻訳の案件がなんとMTPEになるという連絡がきて、その後、引き受けてみたものの…やっぱり無理だという結論になりました。

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マーケティング翻訳にMTPE…

私も何回かMTPEをやったことがあるけど、その度にその作業自体と激安単価から受ける精神的苦痛に耐えられず、すぐにやめてきました。

でも今まで経験したMTPEはマーケティング文書ではなかった。

MTは一見「わかる日本語」になっていたとしても本当に間違いが多いし、訳抜けも多い。それも、人間にとっても訳しにくいトリッキーな箇所をズルして(?)抜かしてくるので、「手直し」どころの話ではなくて「訳し直し」しないとどうにもならないことが多々あります。

だから私は「人間の翻訳者はこれからも必要だ」と思っているし、トランスクリエーションなどが必要なこともあるマーケティング分野にMTPEは絶対に合わないと思っていました。

ところが!「これからMTPEになります😊」とな。

最初これを読んだとき「よっぽどMTの質が上がったんだろうか?」「MTPEは優秀な人間の翻訳者の翻訳をレビューするのと、負荷が同じくらいになったんだろうか??」と、疑問と期待を抱いたけど疑問のほうが大きかった。

悲惨

さてさてどんなもんかね?と思ってファイルを見てみたら悲惨だった。クライアントレビュー後の最終的な翻訳の質とは差がありすぎます。

MTPEではMTが使いものにならないから、すべて消して訳し直す、ということもしますけど、この案件ではそれはしちゃだめなんです。

そもそも「全部消して訳し直す」じゃ、MTPEとは言えませんからね、考えてみれば。

私としては、気持ち悪いしイライラするから、全部消して訳し直したいが、ルールとしてMTをできる限り使って、訳文の改善とかはしちゃだめなことになってるんです。

たしかに、それが本来のMTPEだと思う。MTPEを選ぶお客様への品質はそれぐらいで良いと思う。

でも問題は、私の翻訳の力が低下することと、私が1年後、3年後、5年後と「どうなっていたいか」にこのMTPEの仕事がまったく貢献しない、むしろ障害になるということです。

数年後、MTPEをやっている自分になりたいか?絶対嫌だー

今回1件対応したらすぐにわかった。「これをずっとやってたら翻訳が下手になるな」と。

文豪の本を読めば読むほど、文章はうまくなる。MTを読めば読むほど、機械っぽくなる。

私が今対応している案件はすべて人手翻訳かつ、クリエイティブな訳し方が求められる分野だし、そういった分野でうまく訳せるようにこれまで色々努力してきたのに、そこでこのMTPEのせいで翻訳が下手になったら、今までの努力が水の泡になるではないか!?

私がMTPEをするんだったら、まず使い物にならないものをすべて消させてほしい。そして、「消す作業」と「変な日本語が一瞬目に入ったことによる、脳内処理量の増加」という追加の労力が生じることによって、普通の翻訳料金より価格を上げたい。

さようなら👋

考えた結果、もうその日のうちに「これからは引き受けるのはやめよう」と決めて、お断りの連絡をしました。

MTPEのレビューなら、高い時給かつ分野がマーケティングではない場合にのみ引き受けることもあるけど、マーケティング翻訳のMTPEは現時点でありえないと思う。

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