執筆者プロフィールはこちら
落馬して軽傷を負って少し休んだり、夏の間暑すぎて行けなかったりして、ゆっくりペースで受けてきた乗馬レッスンも26鞍に到達しました。
初心者なので騎乗スキルの点ではできないことだらけですが、乗馬体験レッスンやおやつタイム含め合計で30回くらいは馬と接してきたので、できるようになってきたこともあります。確実に馬には慣れてきました。ほんとうにかわいい動物です。
馬房から馬を連れ出す
レッスン前には、担当してくれる馬を馬房(馬のお部屋)から通路まで連れ出す必要があります。
最初、これが怖くて仕方なかったです。馬そのものは怖くなかったのですが、無口(馬を連れ出すときに馬の顔に装着するもの)を付けるのに失敗してモタモタするうちに馬が逃げるのではないかとか、無事出せても体が大きいので引きずられて止められなくなるのではないかとか、いろいろと心配でした。あと、あんまり時間をかけていると馬がイライラして怒るのではないかとも少し不安でした。
でも、だんだん気づいてきたことがあって、それは、こういう不安を抱くようになるのは私が犬をベースに考えているからだということです。昔飼っていた犬は、とにかく人のそばにいたいので、犬小屋の扉を開ける時はちゃんと合図して止まらせておかないとすっ飛んできました。キッチンなど家の中の行ったらいけない場所でも、人が見ていなくてドアが開いているときなどはこっそり入ってフラフラしていたり。
散歩のときは通りすがりの人に「かわいい」と言われるとうれしくて踊って騒ぎまくったりもしてました。
あと基本的に犬って飼い主命なので、飼い主の言うことしかきかなかったりもします。
だから馬もそんな感じなんじゃないかと思い込んでいたんだと思います。
でも勇気を持ってチャレンジしていくうちに、犬とは反応が全然違うことがわかりました。馬房の扉を開けても、勢いよく出て行こうなんてことはしません。ずっと開いていたらふら~っと出ていく可能性はあるので連れ出す準備中のときでも大きく開けっ放しにはしませんし、レッスン後はちゃんと扉を閉めておきますけど、少なくとも、犬のようにうわーっと出て行こうとすることはないみたいです。
無口を付けるのも最初の何回かは、確認したにもかかわらずいつの間にか手で逆に回してたみたいで、逆向きに馬の顔にかけてしまうなんてこともあり、モタモタしてましたがその間馬は辛抱強く待っていてくれました。
遊び好きな子は無口を噛むのが好きで、うまく顔を入れられたと思ったら口でくわえてたりすることもありますが、そういうときはサッととってやり直したり、だんだんとあたふたせず落ち着いて対応できるようになりました。
ブラッシング&タオルで体と顔拭き
ブラッシングはレッスン前後に行います。これは最初から何の問題もなくできました。お腹は触られるのが苦手な子もいるようですが、私のレッスンを担当してくれる馬たちはみんなお腹触ってもおとなしくしていてくれます。
濡らしたタオルで体を拭くのはレッスンが終わってから、ブラッシングの前に。毛並みとは逆方向に強めにやると気持ちいいそうです。体だけでなく顔も拭きます。
お湯orお水やり
てっきり、馬が飲むのは水だと思ってましたが、涼しいときや寒いときはお湯を飲みます。もちろん熱湯ではなく、ぬるま湯です。お湯が好きなんて、なんてかわいいんだろう…。寒いときは水ではなくお湯が好きって、馬の繊細さがここにも表れている。
バケツに入れて、馬の口のところまで持っていってあげるのですが、乗馬を始めたばかりの頃は運動不足過ぎて腕の力も全然なく、バケツにお湯をくんでくる→持ち上げて馬に飲ませてあげる(つないであるので下においても馬は口が届かないので飲めないのです)の動作をするだけでとても疲れ、筋肉痛になりました。いかに自分が運動不足なのかを思い知らされました。
馬の水の飲み方も、私のようにそれまで馬との接点がゼロだった人間にとっては発見です。やはり犬をベースに考えてしまうので、動物が水を飲むときは舌を出してぺろぺろやるのかと思ってました。
そしたら口を水の中に入れてじっとしているので、これは飲んでいるのかとスタッフに聞いたところ、それが馬の飲み方だとわかりました。口が大きいだけあって、どんどん水の量が減っていきます。見ていてなんだか爽快です。馬は犬と違って舌を出してぺろぺろ飲むのではなく、吸い上げてるようです。
最初のうちは、水の入ったバケツを口のところに持っていくだけでもドキドキしましたが、今はただかわいいだけですね。
裏掘り
蹄の裏に溜まった土とかを掻き出す作業で、レッスン前に行います。最初は馬の足が怖かったのですが、今では掻き出すのが楽しくてハマっています。
とはいえ、馬は足の力が強いですし体も大きいので、踏まれないように自分の足の位置に気を付けたり、虫などを払うときに上げた足で蹴られないようにしたりなど、注意すべきポイントはしっかり押さえて作業をする必要があります。
足の上げ方や持ち方もだんだんとコツがわかってきました。蹄の裏は人間の爪と同じで、強くしすぎなければ痛くないそうです。傷つきやすい部分もあるので、力を入れ過ぎずに丁寧に行うように心がけています。
蹄のお手入れ
これは最近できるようになりました。レッスン後、レッスン前と同じように蹄の裏の土やらを掻き出し、ブラシも使ってきれいにします。
今度は蹄の表をブラシできれいにします。それが終わったら、蹄の裏と表に蹄油という黒い油を塗ります。
足4本分するので少し時間かかりますが、これもとても楽しいし、私を乗せてくれる馬に敬意を払う意味でも丁寧にお手入れしてあげたいと思っています。馬の健康にとっても蹄は非常に重要だそうです。
馬をお部屋に戻す
お手入れが終わったら馬をお部屋に戻してあげます。部屋に入ったら左回りで、馬の顔が扉のほうに来るように誘導しています。そうすれば、私がお部屋から出るとき、馬の顔が私の方を向いており、お尻はあっち向きです。馬の真後ろに立つのは危ないので。
お手入れ楽しい
馬に乗ることもちろん楽しいですが、お手入れも同じかそれ以上に楽しいです。馬の乗り方を教えてもらえる上に、お手入れ方法まで教えてもらえるなんてとても幸運です。これからも気を付けながら、丁寧に世話していこうと思います。
 
  
  
  
  
