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フリーランスで働いている人が周りにいないので、ほかのフリーランスの考えは基本的に本やネットで知るようにしています。意見が分かれるな・・・と思う話題もあるけど、ひとつだけほぼ全員一致していることがあって、それは「安い単価で働かない方がいい」ということです。私もこの考えに賛成で、今回またその気持ちが強くなる出来事がありました。
単価交渉がうまくいかず
翻訳トライアルに合格して、そこはものすごくうれしかったけど、問題は単価でした。希望単価より安い!!!高くしてほしいと率直にお願いしましたが、今回は希望が叶いませんでした。でも交渉しただけでもえらいので、その日はお気に入りのおやつであるブルーベリーをたっぷり食べました。
据え置きされた単価の額はというと…フリーランスになりたての、サバイバル術が何も身に付いていない受け身だった頃の私の単価よりは高いです。でも、その単価では仮に新規「仮に日本人全員がその収入だったとしても、少子化は絶対解消されない」、そんな感じの単価です。でもこの単価は翻訳の単価としてはよく見る額ではあります。つまり、翻訳の単価が基本的に安すぎなんです。
要求は多い
しかし翻訳に関する要求がすごく多いのでけっこう驚きました。読まないといけない資料がかつてないほど多いです。
その要求をすべて叶えるためのスキルを、翻訳者が身に付けるためにどれ程の時間、お金、努力が必要か、そして、翻訳という作業にどれ程のエネルギーを要するかを考えると、やっぱり翻訳者の単価はもっと高くないといけない。
米農家と被る
単価のことに思いを巡らせていてふと気が付きました。翻訳者の単価はたいてい安く、労力と経験が全然適切に反映されていない。この状況が、最近読んだしんぶん赤旗の米農家に関する記事の内容と被るなあと思いました。
「減反、市場任せの米価によって米農家は長年経済的に苦しめられてきた。でも国産の米を生産するという使命感があったから、辛い状況でも米農家はコメ生産を続けてきた。みんなはその使命感に頼っていただけ」といった内容が書かれていました。でも、限界に来たから今のような農村の崩壊がある。
翻訳もそれに似ていて、条件わるくても語学に熱意があるとか、外国との懸け橋になることに使命感を感じるとかいう人の気持ちに頼ってるだけなのではないかと思ったりします。使命感ある人がいてくれるうちはまだいいでしょうね。MTPEとか、翻訳よりきついのに翻訳より安い仕事もあるし、そのうち、使命感のある人も愛想が尽きて、翻訳を十分に勉強していない人が適当にチェックするだけになるのでは、とぼんやり思ったりもします。
 
  
  
  
  
