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乗馬レッスンを受けるためには、馬術部のある学校に通っている学生でもない限りは、乗馬クラブに通う必要があり、実際に始めてみて確かにそこそこお金がかかるとは思いました。特に始めたばかりの頃。入会金と年会費を払い、ブーツやプロテクターなどを揃えたのでけっこうお金はかかりました。
でもそれをやたら「高い、高い」って言ったり、「乗馬が安かったらいいのに」って思ったりするのはなんか違うなあと前から思っていました。最初の体験レッスンならともかく、入会金無料キャンペーンとか、○○％オフキャンペーンとかも、動物というひとつの命が人間の運動に付き合ってくれる乗馬には、なんか合わないと思っていました。
乗馬を始めてしばらく経ち、乗馬にかかる費用について自分なりにいろいろ考えてみました。
そもそも体が大きいので、食べる量が多い
馬は400kg～500kgぐらいあり、一日に食べる量はなんと10kg～15kgにもなるそうです！大きな体の健康を維持して、運動し、人を乗せて走るにはそれぐらいの食事が必要ということですね。
大人1人にかかる1か月の食費が3万5千円から4万円ぐらいだったとして、「あなたの食費としてそれは高い」と言われたら、私は自分の命に価値がないと言われたような気になります。
今みたいに円安で、物価高で、物の値段が跳ね上がっているときに何かを以前の価格と比べて高いというのはわかるのですが、ほかの習い事などと単純に比べたときに高いというだけで「高い、高い」と騒ぐのは違うと思います。お金がかかるのには理由があるわけです。
リトレーニングが大変
日本の乗馬クラブにいる馬の多くが、以前はレースで走っていた元競走馬だそうです。
日本の乗馬クラブでは元競走馬を引き取って乗馬レッスンで活躍してもらうようにすることが多いのですが、競馬と乗馬では馬に求められることが違うので、元競走馬のリトレーニングが必要です。
それぞれの馬の性格にもよるみたいですが、このリトレーニングがけっこう大変です。詳しくは片野ゆかさんの「セカンドキャリア 引退競走馬をめぐる旅」を読んでみてください。とても興味深いことがたくさん書かれている本です。
馬の背中に鞍を付けるという行為も最初からできることではないし、馬が人を乗せてくれるのは馬自身、馬の飼育やトレーニングに関わった人たちの努力のおかげなので、乗馬レッスンを安くすることはできないと思います。
体がとてもデリケートでケアが大変
乗馬クラブに通うようになってから、馬に関する情報を自分なりに集めてきました。それでわかったことは、大きな体と力強さを持っている割に、馬はめちゃくちゃデリケートだということです。自分で転んだりぶつけたりして足を怪我してしまうこともあるし、お腹が痛くなると命に関わったりして大変です。
皮膚病にならないように皮膚を清潔に保つことも大事だそうですし、暑さは苦手なので夏は熱中症にならないよう細心の注意が必要です。扇風機もガンガン使うので電気代もかかると思います。
スタッフさんたち、酷暑の中自分たちの体調管理さえ大変だろうに、たくさんの馬の体調管理までしていて、本当にすごいなと思います。
乗馬から得られるものはほかのスポーツでは得られない
乗馬は馬という動物が人間の運動に付き合ってくれます。見た目が穏やかで優しくてかわいかったとしても、馬の体型によっては乗せて走ってもらったときにものすごく揺れ、大型動物の力強さが感じられます。
馬がつまずくときやくしゃみをするとき、馬上にいると少し怖いこともありますが、そういった動きも機械ではない動物ならではのもので、私はそこが楽しいとも思います。馬の体から伝わってくる温かさもすごく好きです。
私は超初心者なのでまだまだ全然だめですが、そんな私にも一瞬、馬の動きにうまく合わせられたかも、と思うときがあって、そのときは本当に気持ちがいいです。
番外編：馬以外のことにお金をかけていなさそうな乗馬クラブ
ここまで、乗馬レッスンの料金は高くないと思う理由を書いてみました。
あともうひとつ、高いと言われる会費やレッスン料を会員から徴収しているにも関わらず、乗馬クラブが馬以外にまったくお金をかけていなさそう、ちょっと失礼な言い方になりますが「あんまり余裕なさそう」と思う理由があります。
それは、事務所の備品がかなり老朽化していること、事務所の掃除が行き届いていないこと、です（馬たちの家である厩舎はとてもきれいです！）。本人たちには決して言えないことだけど、どうにかして気づいて改善してほしいといつも思っている。気づいているけど経済的にも人手からいっても余裕がなくて改善できないのか。それとも、本当にその事務所のままで良いと思っているのか…。
会員の私からすると、そこの事務所って体験の人とかが最初に案内される場所だから、好印象を持ってもらうためにも、業者でも雇って一度ピカピカにしてもらいたいんだが…。
申し訳ないけど、汚い状態がずっと続いています…。汚いのは人間用スペースで、誰も積極的に使わないし、馬用スペースはケアが行き届いていて馬も元気に過ごしているから良いのかもしれないけど…。普通サービス業だったら、あれはないと思うのよね。同伴した家族も、事務所が汚いので驚いていました。
経済的に余裕があったらきれいにすると思います。スタッフ数もギリギリで回していて、いつ見ても全員馬の世話でいっぱいいっぱいな感じ。だから、みんなが言う「高い料金」を取ってもまだ足りないくらいに、馬の管理だけで大変なんだと思います。
