こんにちは。翻訳者のアンです(プロフィールはこちら )。
この記事ではポルトガル語の現在分詞の使い方についてまとめてみました。
ポルトガル語の現在分詞の作り方
現在分詞はとても簡単に作れます。
語尾がarで終わる動詞、たとえばfalar(話す)なら現在分詞はfalando。
語尾がerで終わる動詞、たとえばcomer(食べる)なら現在分詞はcomendo。
語尾がirで終わる動詞、たとえばsair(出る)なら現在分詞はsaindo。
不定詞のrをとってndoを付けるということですね。
現在分詞はどんなときに使う?
では、ポルトガル語の現在分詞はどんな時に使うのでしょうか。たくさんあるのでひとつずつ見てみましょう。
① 時を表す
「~したとき」と言いたい時に現在分詞が使えます。
<例文>
Chegando a casa, a chuva parou.
意味「家に着いた時、雨がやんだ」
この例文ではchegar「到着する」の部分が現在分詞になってchegandoとなっています。
a chuvaは「雨」、parouはparar「止まる」の三人称の過去形です。
この文は、以下のようにQuando「~する時」(英語のwhenにあたる単語です)を使って書き換えることができます。
Quando cheguei a casa, a chuva parou.
Vendo o cão pequeno, o homen grande fugiu da sala.
意味「その小さな犬を見ると大男は部屋から逃げた」
私の知っている人で、小さな犬すら怖がる大男がいたので、例文作ってみた(笑)
この文ではver「見る」が現在分詞vendoになっています。fugir de~で「~から逃げる」。Quandoを使うなら、”Quando vi o cão pequeno, o homen grande fugiu da sala. ”というふうに書けますね。
② 原因を表す
原因も現在分詞で表すことができます。
<例文>
Estando muito cansada, fui para a cama a descansar.
意味「とても疲れていたので休むためにベッドに行った」
Estarは「~である」という意味の動詞で、ここを現在分詞にしてその後にmuito cansada「とても疲れている」を続ければ「とても疲れていたので」という意味になります。
疲れているのが女性ではなく男性であった場合は、cansadaではなくcansadoを使います。fui para a camaで「ベッドに行った」、a descansarで「休むために」。
Estando nervosa, não consegui me concentrar.
意味「緊張していたので、集中できなかった」
こちらの例文もestarを使ってみました。ところで、これを現在分詞なしで書くならどうなるでしょうか?「~なので」という意味のComoを使って書き換えられます。こんな感じです。Como estava nervosa, não consegui me concentrar.
③方法や状態を表す
説明するより例文を見てもらったほうが伝わりやすそうです。
たとえばこういう例文です。
As pessoas japonesas comem sushi usando pauzinhos.
「日本人は寿司を箸で食べる」
pauzinhoで「箸」という意味です。pauzinhoってもともとは「小さな棒」っていう意味なんですけど、Googleでpauzinhoの画像検索をすると箸の写真ばかり出てくるので、ポルトガル語ネイティブにpauzinhoって言ったらまず「箸」を思い浮かべるのかもしれないですね。
それからこういう例文です。
Ela estudava matemática ficando com muito sono.
「彼女はすごい眠気を感じながら数学を勉強した」
ficando com muito sonoのところはestando com muito sono「とても眠い」でも良いと思うのですが、「数学を勉強してるから」眠くなっているんだっていうことを強調するためにestarではなくてficar「~になる」を使ってみました。
④条件を表す
「~したら」という条件も現在分詞で表せてしまいます。
Vivendo em Portugal por alguns meses, consegues entender melhor sobre a cultura e a sociedade.
意味「ポルトガルで数か月暮らしたら、文化や社会についてもっとよく理解できる」
viver em~で「~で暮らす」、por alguns mesesで「数か月の間」、conseguir+不定詞で「~できる」、entender melhorは「もっとよく理解する」、sobre a cultura e a sociedadeで「文化や社会について」という意味です。
➄譲歩を表す
ポルトガル語の現在分詞は「たとえ~でも」「~であるけれど」という譲歩の意味にもなります。
Mesmo+現在分詞の形で使います。
例文
Mesmo estudando muito, não conseguiu passar no exame.
意味「たくさん勉強したけど、彼/彼女は試験に合格できなかった」
Mesmo estudandoのところが譲歩の意味の現在分詞になっています。passar em~で「~に合格する」という意味。
Mesmo ficando fico, não estava muito feliz.
意味「お金持ちにはなったが、彼はあまり幸せでなかった」
ficar ricoで「お金持ちになる」、não estava muito felizで「あまり幸せでなかった」という意味です。
⑥接続詞eの代わりに使う
現在分詞が表す色々な意味をここまで見てきましたが、最後は一番簡単です。接続詞eの代わりに使うパターンです。接続詞eというのは英語で言うとand、「~と…」という意味です。
Os estudantes assitiram à aula, tomando nota.
意味「生徒たちは授業に出席し、メモを取りました」
tomando notaのところは接続詞eの代わりに使っているので、eを使って書き換えれば次のようになります。
Os estudantes assistiram à aula e tomaram nota.
Ela acordou na cama do hospital, lembrando-se do que tinha acontecido no trabalho.
意味「彼女は病院のベッドで目を覚まし、仕事で起こったことを思い出した」
これもeを使えば次のように書き換えられます。
Ela acordou na cama do hospital e lembrou-se do que tinha acontecido no trabalho.
lembrar-se de~で「~を思い出す」、o que tinha acontecido no trabalhoで「仕事で起こったこと」という意味です。tinha acontecidoというように大過去が使われているのは、それが「病院のベッドで目を覚ました時」よりも前に起こったことだからです。
まとめ
ポルトガル語の現在分詞の用例についてまとめてみました。意味がたくさんあるので、現在分詞が出てきたらその都度文脈から意味を判断することになります。