こんにちは。私は翻訳者のアンと言います。(プロフィールはこちら)
この記事では短納期案件を受けるかどうかをどのように判断しているかまとめてみました。
短納期案件とはなにか
短納期案件とは、文字通り納期が短い案件のことです。納期が当日中とか明日とかいったものの他に、原文のワード数は10000ワードもあるのに納期が4日とかいう案件も短納期案件といえます。
短納期案件は負担が多いのか
短納期案件はストレスが多そうなイメージがありますが、本人の実力(スキルや翻訳スピード)・原文の難易度・必要なリサーチ量などによって、短納期案件で感じる負担はまったく違ってくると思います。
例えば、私はファッション関係の翻訳なら経験がけっこうあるので、ファッション関係であれば「1500ワードを明日の昼までにお願いします」という依頼が来ても、たいていの場合そこまで負担を感じることなく対応できます。
それ以外の、あまり経験のない翻訳分野とか、多くのリサーチを要する翻訳の場合には1500ワードを明日までだと負担を感じることもあります。
短納期案件を引き受けるかどうかを判断するポイント
それで、短納期案件を受けるべきか否かについて、私は下記のポイントを考えて決めています。
〇自分が経験したことのある分野かどうか、馴染みのある分野かどうか確認する。
→経験したことのない分野や馴染みのない分野の場合には断る。
〇原文の内容を確認し非常に専門的で難解で多くのリサーチを必要とするものかどうか確認する。→非常に専門的で難解で、多くのリサーチを必要とするものの場合には断る。
〇自分の予定に余裕があるのか確認する。(別案件を対応していないか、何か私用が入っていないかなどを確認する)→余裕ない場合には断る。
〇その短納期案件を引き受けることで、もっと単価の高い他の翻訳会社からの案件を断らないといけなくなりそうかどうか確認する→その短納期案件を対応するために、定期的に依頼のあるもっと単価の高い案件を断らないといけないのなら、その短納期案件については断る。
〇体調が悪くないか→体調を崩している場合には断る。
短納期の依頼が来た場合には、だいたい上記について考えて受けるかどうかを決めています。
無理して引き受けて質の悪い翻訳を納品すると自分の評価が下がってその後の依頼量に影響があるかもしれないので、引き受けるかどうかは慎重に判断したほうが良いというのが私の考えです。
たとえば納期が3日後の15:00だったとしても3日後の15:00少し前に翻訳が完成するとか、納品するとかいうことは、私の場合絶対ありません。そんなギリギリでは心臓に悪くて嫌です。
納期が3日後の15:00であるなら、私は2日後には翻訳を納品できるレベルにまで完成させます。
他の翻訳者がどうかはわからないですが、私は慎重でビビりなので実際の納期より少なくとも1日前には翻訳を完成させようと努めています。
そういうこともあって、私はとにかく余裕のなさすぎる納期というのが苦手で、短納期案件については断ることもあります。断っても仕事の依頼はきています。
短納期案件を引き受けて失敗するよりも、納期に余裕のある案件を引き受けて質の高い翻訳を納品し、自分の翻訳者としての評価を高めて継続的な仕事の受注や、単価アップにつなげるほうが賢明だと考えています。
特に、翻訳者になりたての場合には短納期案件には注意したほうが良いと思います。自分の実力や得意分野や翻訳スピードもよくわかっていないままに、依頼がきたものを何でも引き受けていると失敗する可能性があります。
翻訳者になりたてなら、まずは比較的小さな案件や納期に余裕のある翻訳から引き受けて、様子をみるというのが良いでしょう。
まとめ
今回は短納期案件について書いてみました。仕事の依頼が来たからと言ってすぐに飛びつかずに、原文の内容や自分の実力、納期などをふまえて引き受けるかどうかを、落ち着いて決めることが大切です。