【体験談!】フリーランス翻訳者が単価アップ交渉に成功したときの話。ぜひ単価アップ交渉をしてみよう!

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こんにちは。私は翻訳者のアンと言います。(プロフィールはこちら

この記事では、私が単価アップ交渉に成功したときのことについてまとめてみました。

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なぜ単価アップ交渉をしようと思ったのか

私には、ぜひとも単価アップしてほしいA社がありました。

A社の翻訳案件は内容も興味深く、A社が大手であるということもあって仕事量が安定していました。

しかし、問題はA社の単価が私の取引先の中で最も安かったということです。そのため、A社の優先順位は落ちるわけですが、A社より単価の高いB社の仕事はA社程多く依頼が来ないのです。

だから、どうしても単価をB社並みの単価にしてもらうか、せめてそれに近づけてほしいという思いがありました。

A社の翻訳案件はとても専門的で多くの調査が必要な場合もあるので、以前までの単価では安すぎると前々から感じてはいました。

単価アップ交渉に向けてどんな準備をしたのか

「A社の単価を上げてほしい」と思うようになったのは1年ぐらい前のことです。

ただ、1年ぐらい前はまだA社との取引量も多くなかったので、翻訳の品質・自分の実力・A社への貢献度など、単価アップ交渉のための説得の内容が足りないように思いました。

ただ単に「単価を上げてほしい」と言っただけでは上手くいかない可能性が高いのではないかと思います。

私自身、単価アップ交渉に至るまでには、他のフリーランス翻訳者の方や他の業種のフリーランスの方の単価アップ交渉に関する意見や体験談を読んだり聞いたりしましたが、やはり皆さん同じように「説得できる内容が必要」ということを言っていました。

そこで、私がA社との単価アップ交渉を成功させるために約1年をかけて行ったことは、大きく分けて以下の4つです。

  • A社の案件を継続的に1年受注する
  • お客さんやレビュアーから良い評価をもらえるような質の高い翻訳を提供する
  • 翻訳の勉強をする(セミナー出席や、本を読むなど)
  • 品質管理をする

上記4つのポイントについてひとつひとつ説明をしていきます。

A社の案件を継続的に1年受注する

A社のトライアルに合格して翻訳者として登録される時点で、すでに単価が安いなあと感じていました。今思うとこの登録時点で一度単価アップのお願いをしてみても良かったかなとも思ってるのですが。

もっと単価の高い複数の翻訳会社とも取引していたので、A社とは距離を置いておけば良いか、そんなに依頼も来ていないし、と軽く考えていました。

ところが、コロナのパンデミックが始まってから状況が一変し、私が主に取引していた単価の高い翻訳会社からの依頼が激減しました。一方で、A社からの仕事はだんだんと増えていきました。

そこで仕方なく、A社の仕事を前よりも受けるようになったのですが仕事をこなすうちに、内容が難しいのでもっと単価をあげてほしいと思うようになりました。

その説得のためにもまずはA社からの仕事を継続的に1年ぐらい受けて約1年後ぐらいには単価アップ交渉に挑戦しよう!と思うようになったのです。

単価アップ交渉をする上で、○○○○○○ワードこなしました、というように処理ワード数を提示できると相手も受け止めてくれるかなと思いました。

お客さんやレビュアーから良い評価をもらえるような質の高い翻訳を提供する

継続的に仕事を受注する以外に、「お客さんやレビュアーから良い評価をもらえるような質の高い翻訳を提供すること」も重視していました。

お客さんからのクレームが多いなどといったことは、単価アップ交渉にとってはマイナスの要素になるのでそういったことは可能な限り避けられるように1件1件の翻訳をとても丁寧にこなしました。

そのおかげなのか、お客さんからのクレームは幸いなことに今のところ一度もなく、むしろ良いフィードバックを複数もらうことができました。

お客さんが満足してくれたということは、単価アップ交渉において「私はあなたの会社に必要な翻訳者です」ということを示すための大きなポイントになると考えます。

翻訳の勉強をする(セミナー出席や、本を読むなど)

すでに翻訳者として仕事をしている人ならよく分かると思うのですが、翻訳者はずっと勉強し続ける必要があります。

なぜなら、翻訳の仕事では新しいことを翻訳することがほとんどだからです。

IT関係のマーケティング翻訳をするのであれば、新しいITの技術などについて勉強して自分の知識をアップデートしていく必要があります。

それに加えて、よみやすく自然な日本語が書けるように日本語の勉強もしなくてはいけません。

だから、翻訳の勉強としてセミナーに参加したり本を買って読んだりということはとても良いことだと思います。

品質管理をする

A社からの案件では、基本的に用語集が配布されないことが多いので、専門的な用語の訳語などを自分で蓄積して資料を作っていきました。

そうすることで、自分の知識も増えていくし、調べたことを次回の案件で反映しやすくなります。

1回1回の案件も勉強になるので、用語などを蓄積していかないともったいないと考えて自分なりの参考資料を用意していったということです。

ちなみに、私がこれまでの翻訳から学んだことを蓄積しているのがEvernoteというメモアプリです。

実際の単価交渉はどのように行ったのか

単価交渉はメールで行いました。私が取引しているすべての翻訳会社ではメール連絡が主で、緊急時やよほど重要な内容でない限りは電話連絡はしていません。

今回単価アップ交渉をしたA社は外国にある会社で、社員も外国人で社内公用語が英語なので英語でメールを送りました。

このメール作成にも何時間も時間をかけました。普通のメールであれば数分で終わるのですが、内容が「単価アップ交渉」という重要な内容なので、慎重になる必要がありました。

何度も読み返してスペルミスや文法のミスが無いか、説得力はあるかどうか、プロフェッショナルなメールになっているか(感情的な部分などがないか)、読みやすいか、冗長になっていないか、失礼に聞こえる可能性のある部分はないか、などなどを確認しました。

これまでの処理ワード数、お客さんやレビュアーからの高評価、翻訳の勉強のこと、独自に行っている品質管理などについて、箇条書きにして視覚的にも分かりやすくなるようにしました。

どのくらいの単価アップを目指したのか

20%~25%ぐらいの単価アップをしてもらえたら良いなと思っていたので、単価アップを依頼するときはだいたい30%~35%ぐらいアップさせた単価を提示していました。

35%増しって大きいかな?とも思ったので迷いましたが、私としては常識の範囲内だと判断したし、これまでたくさん努力をしてきたし、少ない額を提示して後から後悔するよりは、と思って思い切って30~35%アップの単価を提示しました。

単価アップ依頼のメールを送った後の相手の反応はどうだったのか

単価アップ依頼のメールを送った後は、まず窓口の人から「確認するので少々お待ちください」といったような返事が来てその後、担当者から連絡がありました。

担当者から連絡が来るまで何日かかかるかな?と思ってなのですが、その日のうちにお返事をもらえました。

その結果、私が当初目標としていた20~25%アップには至りませんでしたが、約15%アップしてもらえました!

正直、「駄目でもともと」という気持ちのほうが大きかったので、すんなりアップしてもらえたのは本当に嬉しかったし、これまでの努力も認めてもらえたのだと感激してしまいました。

私が当初目標としていた単価には達しなかったので、端数の切り上げはしてもらえないか(つまり、例えば15.8円であれば16円にしてもらえないかなど)をお願いしてみたのですが、こちらは残念ながら認めてもらえませんでした。

でも、最初の段階ですんなり単価アップしてもらえたのは私にとって大きな収穫です。

まとめ

翻訳単価は一度決まってしまうとなかなか上がらない、という意見もありますし絶対上がらないという人もいるみたいですが、私は単価アップ交渉に成功しました。

私個人の意見ですが、品質を高めて翻訳会社に貢献することによって単価アップにつなげることは可能だと思います。

単価アップ交渉がうまくいかなかった場合でも元の単価で仕事を続けることができるし、単価の高い他の翻訳会社を探してそちらと取引を開始することもできます。

だから単価アップ交渉は、必要以上に恐れることなく挑戦すべきだと感じました。

そのようにして、翻訳者がスキルアップする→単価アップ交渉をする→単価が上がる、というサイクルを個々の翻訳者が行うことで翻訳業界の単価が全体的に下降していく傾向を抑えることもできます。

だからやっぱり単価アップ交渉は不可欠と思います。

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