【ポルトガル語文法】つまずきやすい直説法・複合未来形について説明

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ポルトガル語
UnsplashLukas Tennieが撮影した写真

こんにちは。私は翻訳者のアンと言います。(プロフィールはこちら

ポルトガル語の文法はとても複雑で理解するのが大変な部分があります。そこで今回は、ポルトガル語の文法の中でも分かりにくい部分である「直説法・複合未来形」について説明します。

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直説法・複合未来形はどんな形をしている?

直説法・複合未来形は、ポルトガル語の動詞Terの未来形+過去分詞でできています。Terとは英単語のHaveに相当する単語です。なので、Terには「持つ」という意味があります。

Terは未来形になると主語に合わせて次のように変化します。terei(一人称単数) terás(二人称単数) terá(三人称単数) teremos (一人称複数)tereis(二人称複数) terão(三人称複数)。

過去分詞は動詞がある形に変形したものです。例えばbeberの過去分詞はbebido、sairの過去分詞はsaidoです。

実際に、直説法・複合未来形の形を見てみましょう。こんな感じです。

terá concluído (terの未来形三人称単数+「完了する、結論する」という意味の動詞concluirの過去分詞)

terá saido(terの未来形三人称単数+「出る」という意味の動詞sairの過去分詞)

terão acabado(terの未来形三人称複数+「終える、終わる」という意味の動詞acabarの過去分詞)

teremos partido(terの未来形一人称複数+「出発する」という意味の動詞partirの過去分詞)

直説法・複合未来形はどんなときに使う?

それでは、直説法・複合未来形はどんな場合に使えるのでしょうか?使用場面は大きく分けて3パターンあるので、これから説明していきます。

これから起こるであろう動作で、かつ他の出来事や動作よりも前に起こることを表したいとき

私なりに分かりやすくいうと、「 これから起こるであろう動作で、かつ他の出来事や動作よりも前に起こることを表したいとき 」ということになるのですが、具体例がないと分かりにくいかもしれません。

例えば、次のようなことを言いたい場合に直説法・複合未来形を使えます。

冬、雪が降る始める頃にはその家が建てられているだろう」=No inverno, quando começar a nevar, a casa terá sido construída.

黄色のマーカーを引いた部分が「他の出来事や動作」で、赤色のマーカーを引いた部分が「これから起こるであろう動作」です。赤色のマーカーで示された動作の方が、黄色のマーカーで示された動作よりも前に発生し完了しているであろうと予想されているのです。こういう場合に、直説法・複合未来形が使えます。

また、直説法・複合未来形の特徴として「これから起こるであろう動作が、本当に起こるかどうかは分からない」という意味が含まれている点があります。

つまり、上の例では「その家が建てられている」というのは話者の単なる予想であって確実にそうなるかは分からない、ということです。

過去に起こった可能性のある動作について疑念を持って言うとき

「 過去に起こった可能性のある動作について疑念を持って言うとき 」も、直説法・複合未来形が使えます。

例えば、次のような場合です。

「昨日、大きな地震があった。近所の人は避難しただろうか?」=Ontem, ocorreu um terremoto grande. Terão refugiado os meus vizinhos?

赤のマーカーを引いた部分が、過去に起こった可能性がある動作で、その動作について話者が疑念を持って言っている部分です。「疑念を持って言っている」というのは、言い換えると「本当に起こったかどうかは分からない」ということです。

直説法・複合未来形は、terの未来形を使って表現するにも関わらず、過去のことについても言えるというのがおもしろい点です。

ジャーナリズムにおける特有の表現

ポルトガル語の 直説法・複合未来形 は、ジャーナリズムにおいて頻繁に使用される形です。ジャーナリズムにおいてとは、新聞などのメディアのことを指しています。その場合も、「疑念」がある場合に使われます。その動作が本当に起こるのかどうか、その真実性に疑いがある場合に使用されるということです。

例えば、次のような例です。

「総理大臣は来週、中国と条約を結ぶ」=O primeiro-ministro terá assinado o tratado com a China.

上の例では、「総理大臣が来週中国と条約を結ぶ」ということの真実性に疑いがあるということです。来週になって総理大臣が本当に中国と条約を結ぶかどうか、ジャーナリストにも確信は持てていないので、terá assinado o tratadoという、 直説法・複合未来形 が使用されているのです。

まとめ

今回は、 直説法・複合未来形 について私の言葉で説明してみました。どうでしたでしょうか。私自身、初心者の人に分かりやすく説明する練習という意味もあってこういった記事を書いているので、初心者の人にとっても分かりやすいと思ってもらえたらすごく嬉しいです。

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